棚の前で/人生の部/海の見える理髪店

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棚の前で

『海の見える理髪店』集英社文庫の書影書影:版元ドットコム

海の見える理髪店

  • 人生
  • 集英社文庫
  • 分量:軽い

海辺の町の小さな理髪店。髪を切ってもらいながら、客の青年は店主の長い身の上話を聞く。第155回直木賞受賞作。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
集英社
判型
集英社文庫
刊行
2019年5月
ISBN
9784087458725

あらすじ

表題作のほかに、疎遠だった母の家を訪ねる娘の話、夫と喧嘩して実家へ帰った妻のもとに届く不思議な手紙の話など、家族の形をめぐる短編が並びます。どの話も、大きな事件は起きず、けれど最後のページで静かに景色が変わります。

読みどころ

表題作は、何気ない会話の中に、二人の関係が少しずつ見えてくる構成が見事で、最後の一文で思わず本を閉じてしまうほど。短編集なので、通勤の往復で一話ずつ読めます。

こんな人に

おすすめしたいのは。家族に、ずっと言えずにいることがある人。

短編集なので、どの話から読んでも大丈夫です。まずは表題作から。

向かないかもしれない人

物語性は星3で、大きな事件や先の読めない展開はほとんどありません。筋の起伏で引っぱられたい人や、謎や対決のある話を求める気分の日には、会話中心の運びが静かすぎるかもしれません。

比べ読み

『ツナグ』辻村深月

どちらも身近な人に言えずにきたことを扱う本で、読みやすさは同じ星5です。『海の見える理髪店』は大きな事件の起きない会話の中で関係がにじみ出る静かな作り、『ツナグ』は死者と一度だけ会えるという仕掛けがあり、苦い後味の章も混じります。穏やかな話から入るなら荻原作品を先に。

『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

家族の形をめぐる話として並べられますが、分量の感触が違います。こちらは母を訪ねる娘や実家に帰った妻など、話ごとに別の家族が出てくる短編集。『そして、バトンは渡された』は親が何度も替わった一人の女子高生を長編で追い、食卓の場面の明るさが前に出ます。通勤の合間に一話ずつ読むならこちらを。

stock

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