あらすじ
伊良部は話をろくに聞かず、自分の興味で動き回ります。患者は振り回されるうちに、症状の原因だった思い込みから離れていく。看護師のマユミも、まったく愛想がありません。
読みどころ
シリーズの一作目です。心の病を、深刻に扱わないことで軽くするという方法を取っています。医療の正確さを求める本ではありません。
こんな人に
おすすめしたいのは。笑える連作短編を探している人。
シリーズは『空中ブランコ』『町長選挙』と続きます。
向かないかもしれない人
心の病を深刻に扱わず笑いに寄せる作りで、医療としての正確さは求めていません。症状への真剣な向き合い方を期待する人には、軽く映るかもしれません。
比べ読み
『虹の岬の喫茶店』森沢明夫
人が変わっていく話という点では『虹の岬の喫茶店』も同じですが、あちらは人を変えるのは時間と場所だという静かな書き方で、派手な展開はありません。伊良部の無茶に振り回されて笑いたい日は『イン・ザ・プール』、落ち着いた空気に浸りたい日は岬の喫茶店を選ぶと合います。
『キネマの神様』原田マハ
『キネマの神様』は会社を辞めた娘とギャンブル漬けの父が、映画の感想文でつながっていく話です。一話完結の笑いで進むこちらと違い、親子の関係を一本の筋で追います。短い話を区切りながら笑いたいなら『イン・ザ・プール』を先に、腰を据えて家族の話を読みたい時に『キネマの神様』を。













