棚の前で/人生の部/自転しながら公転する

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棚の前で

『自転しながら公転する』新潮文庫の書影書影:版元ドットコム

自転しながら公転する

  • 人生
  • 新潮文庫
  • 分量:厚い

母の介護のために地元へ戻った三十代の女性。仕事も恋も、選べるものが少しずつ減っていく。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
新潮社
判型
新潮文庫
刊行
2022年11月
ISBN
9784101360638

あらすじ

職場の人間関係、実家の空気、恋人の家族の問題。都の選択はいつも中途半端で、決めきれないまま時間が過ぎます。冒頭と末尾に置かれた枠が、読後の印象を変えます。

読みどころ

三十代の生活を、仕事・介護・結婚の三方向から同時に書いた作品です。答えを出さない終わり方が、かえって現実に近い。

こんな人に

おすすめしたいのは。同世代の生活を書いた小説を読みたい人。

同じ作者の『プラナリア』は直木賞を受けた短編集です。

向かないかもしれない人

主人公の選択はいつも中途半端で、答えを出さないまま話が進みます。はっきりした結末や、迷わず決断する主人公を読みたい人には歯がゆく感じられます。

比べ読み

『長いお別れ』中島京子

介護が柱になる点で並べて読めます。『長いお別れ』は認知症になった父を囲む家族の十年を一年ずつ章に分け、笑える場面も交えて書いています。『自転しながら公転する』は介護に仕事と結婚が重なる三十代の一人の女性が中心。家族全体を見渡したいなら中島作品、自分の生活に重ねたいなら山本作品を。

『お探し物は図書室まで』青山美智子

働き方や年齢の悩みを扱う点は同じですが、青山美智子の図書室の連作は、本と付録で背中を押す作りで、各話に区切りがあります。『自転しながら公転する』は決めきれない時間が長く続く作り。気軽に読み進めたい日は青山作品、答えの出ない現実に付き合う余裕がある日はこちら。

stock

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