あらすじ
登場するのは、婦人服売り場の販売員、家具メーカーの経理、育休明けの編集者、定年退職した男性など。章をまたいで人物がすれ違い、最後に全体がゆるくつながります。
読みどころ
助言を与えるのではなく、材料だけ渡すという司書の立ち位置が、この作品の核です。大きな事件は起きませんが、働き方や年齢の悩みが具体的に書かれています。
こんな人に
おすすめしたいのは。仕事の先行きに迷っている人。
同じ作者の『木曜日にはココアを』も、人がつながる連作です。
向かないかもしれない人
大きな事件や謎解きで引っ張る展開を求める人には、起伏が穏やかに感じられそうです。答えそのものを本からもらいたい人にも、材料だけ渡す作りは物足りないかもしれません。
比べ読み
『フリーター、家を買う。』有川浩
どちらも働き方に迷う人が出てくるが、こちらは司書が渡す本と付録をきっかけに複数の人物が順に変わる連作で、『フリーター、家を買う。』は一人の息子と家族の問題を長編で追う。章ごとに区切って読みたい日はこちら、一つの家族にじっくり付き合いたい日は向こうを。
『自転しながら公転する』山本文緒
星の並びは同じでも、分量と終わり方が違う。こちらは人物がゆるくつながって着地する連作、『自転しながら公転する』は厚めの長編で三十代の仕事・介護・結婚を同時に抱え、答えを出さずに終わる。軽めの入口ならこちらを先に、現実の重さに向き合う余力がある時に向こうへ。












