あらすじ
島には神職の家があり、そこを中心に序列が作られています。調査を進めるほど、住民の証言が食い違い、協力者も信じられなくなる。宗教と土地の関係が丁寧に書き込まれています。
読みどころ
民俗ホラーの体裁をとりながら、結末は推理小説として着地する作品です。同じ作者の『屍鬼』が長すぎると感じる人にも勧められます。
こんな人に
おすすめしたいのは。閉鎖的な共同体を描いた話が好きな人。
同じ作者の『残穢』も実話怪談の形式をとった代表作です。
向かないかもしれない人
土地と宗教の関係が丁寧に書き込まれる民俗ホラーなので、閉鎖的な共同体の息苦しさが苦手な人には重く感じられそうです。読みやすさは星四つで、軽い怪談を求める時にも不向きです。
比べ読み
『邪教の子』澤村伊智
閉じた共同体の怖さを扱う点で『邪教の子』と並ぶ。あちらは大人が作った教えを信じる子どもたちを通して集団と個人の問題を直接書き、後味は重い。こちらは国に認められない神を祀る島で、民俗の描写から推理小説として着地する。謎を解く手応えを重視するならこちらを先に。
『ずうのめ人形』澤村伊智
ホラーとミステリの両立という点で近いのが『ずうのめ人形』。原稿を読んだ者に人形が近づく現代の怪異で、少女の孤独が痛々しい。こちらは土地と宗教が作る序列の中で証言が食い違っていく調査もの。現代の呪いが好みなら向こう、因習の島に惹かれるならこちら。











