棚の前で/ホラーの部/鬼談百景

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棚の前で

『鬼談百景』角川文庫の書影書影:版元ドットコム

鬼談百景

  • ホラー
  • 角川文庫
  • 分量:ふつう

学校、家、夜道。どこかで聞いたことのあるような短い怪談が、九十九話並ぶ。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
KADOKAWA
判型
角川文庫
刊行
2015年7月
ISBN
9784041033753

あらすじ

どの話も、はっきりしたオチや種明かしがあるわけではありません。ただ「こういうことがあった」と淡々と書かれていて、その説明のなさがかえって怖い。舞台は学校や職場、家の中など、読む人の身近な場所ばかりです。

読みどころ

一話がとても短いので、もう一話だけ、と思っているうちに夜が更けていく。百物語は百話目を語ると怪異が起きると言われますが、この本は九十九話で止まっています。その理由は、同じ作者の『残穢』を読むと分かります。

こんな人に

おすすめしたいのは。短い怪談を少しずつ読むのが好きな人。

『残穢』とあわせて読むのがおすすめです。どちらから読んでも、もう片方を読みたくなります。

向かないかもしれない人

物語性は星3で、オチや種明かしのない話がほとんどです。怪異の理由がはっきり示されないと落ち着かない人や、長い筋で引っぱられたい人には物足りなく映るでしょう。

比べ読み

『などらきの首』澤村伊智

短い話を区切って読める本として並べられます。『鬼談百景』は種明かしのない話が九十九並び、身近な場所での説明のなさが怖さになる作り。『などらきの首』は六編で、比嘉姉妹シリーズの空白を埋める役も持っています。シリーズを知らずにまっさらな怪談を拾い読みしたいならこちら、澤村伊智を試すなら六編のほうを。

『私の家では何も起こらない』恩田陸

どちらも短い話の積み重ねで怖さを作る本ですが、まとまり方が違います。恩田陸の本は一軒の洋館に話が集まり、家の歴史が浮かぶ構成。こちらは学校や職場、夜道と舞台が散らばり、一話ごとに切れています。美しい文章の幽霊屋敷を一晩で通すなら『私の家では何も起こらない』、寝る前に数話ずつなら『鬼談百景』を。

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