あらすじ
どの話も、はっきりしたオチや種明かしがあるわけではありません。ただ「こういうことがあった」と淡々と書かれていて、その説明のなさがかえって怖い。舞台は学校や職場、家の中など、読む人の身近な場所ばかりです。
読みどころ
一話がとても短いので、もう一話だけ、と思っているうちに夜が更けていく。百物語は百話目を語ると怪異が起きると言われますが、この本は九十九話で止まっています。その理由は、同じ作者の『残穢』を読むと分かります。
こんな人に
おすすめしたいのは。短い怪談を少しずつ読むのが好きな人。
『残穢』とあわせて読むのがおすすめです。どちらから読んでも、もう片方を読みたくなります。
向かないかもしれない人
物語性は星3で、オチや種明かしのない話がほとんどです。怪異の理由がはっきり示されないと落ち着かない人や、長い筋で引っぱられたい人には物足りなく映るでしょう。
比べ読み
『などらきの首』澤村伊智
短い話を区切って読める本として並べられます。『鬼談百景』は種明かしのない話が九十九並び、身近な場所での説明のなさが怖さになる作り。『などらきの首』は六編で、比嘉姉妹シリーズの空白を埋める役も持っています。シリーズを知らずにまっさらな怪談を拾い読みしたいならこちら、澤村伊智を試すなら六編のほうを。
『私の家では何も起こらない』恩田陸
どちらも短い話の積み重ねで怖さを作る本ですが、まとまり方が違います。恩田陸の本は一軒の洋館に話が集まり、家の歴史が浮かぶ構成。こちらは学校や職場、夜道と舞台が散らばり、一話ごとに切れています。美しい文章の幽霊屋敷を一晩で通すなら『私の家では何も起こらない』、寝る前に数話ずつなら『鬼談百景』を。











