棚の前で/青春の部/あひる

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棚の前で

『あひる』角川文庫の書影書影:版元ドットコム

あひる

  • 青春
  • 角川文庫
  • 分量:軽い

家にあひるが来てから、近所の子どもたちが遊びに来るようになった。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
KADOKAWA
判型
角川文庫
刊行
2019年1月
ISBN
9784041074435

あらすじ

併録は二編。どれも家族と近所づきあいを扱い、語り手は起きていることを深く考えません。読者だけが、少しずつずれに気づいていきます。

読みどころ

説明しないことで不穏さを作るこの作者の手つきが、短い分量に凝縮されています。一時間ほどで読めます。

こんな人に

おすすめしたいのは。短くて後を引く小説を探している人。

同じ作者の『星の子』『こちらあみ子』も文庫で読めます。

向かないかもしれない人

説明しないことで不穏さを作る作風なので、出来事の意味をはっきり示してほしい人や、すっきりした結末を求める人には、読み終わっても落ち着かない感覚が残りそうです。

比べ読み

『ポトスライムの舟』津村記久子

どちらも軽い分量の短い作品だが、こちらは語り手が気づかないずれを読者だけが拾う不穏さが軸で、『ポトスライムの舟』は働く日々の退屈を否定せずに書く。落ち着かない感触を味わいたい時はこちら、仕事帰りに静かに区切りをつけたい時は向こうを選ぶとよいです。

『放課後の音符』山田詠美

十代を扱う『放課後の音符』は恋を知りはじめた高校生の感情を鋭く切り取る八編で、気持ちはまっすぐ言葉にされる。こちらは家族と近所づきあいを説明なしに置き、何が起きているかを読者に委ねる。分かりやすい切れ味なら向こう、後から効く違和感ならこちら。

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