あらすじ
併録の二編も、身体と自己の境目を扱います。理系の知識に基づく記述が多く、描写の生々しさもそのままです。短いので一気に読めます。
読みどころ
自分が自分であることの根拠を崩すという、この作者の主題が明確に出た一冊です。描写の強さは覚悟が要ります。
こんな人に
おすすめしたいのは。医学的な題材のホラーが平気な人。
同じ作者の『玩具修理者』も代表作です。
向かないかもしれない人
豚の臓器の移植をはじめ、身体の描写は生々しいまま書かれています。手術や内臓の話が苦手な人、理屈の説明より雰囲気で怖がりたい人には負担が大きいでしょう。
比べ読み
『ユリゴコロ』沼田まほかる
重い題材に正面から向き合う点で近い二冊です。『ユリゴコロ』は加害の告白をたどる形式をとり、後半で全体の構図が組み替わる作り。『人獣細工』は移植された臓器を通して自分とは何かを揺さぶる表題作に、併録の二編が付きます。分量を抑えたいなら小林作品、物語性で選ぶなら星5の沼田作品を。
『ずうのめ人形』澤村伊智
どちらもおすすめ度は星4ですが、怖さの種類が違います。『ずうのめ人形』は原稿を読み進めた者のもとへ人形が迫ってくる怪異とミステリの仕掛け、『人獣細工』は理系の知識に基づく身体の生々しい描写が軸です。超自然の怖さが好みなら澤村作品、医学的な題材に耐えられるなら小林作品を。












