あらすじ
不思議の国の住人たちは、言葉遊びと屁理屈で会話を進めます。その理屈を逆手に取らないと真相に届かない構造で、推理の手順そのものが独特です。現実側では地味な調査が並行して進みます。
読みどころ
ホラーと本格ミステリと不条理劇が同時に走る作品です。残酷な描写を軽い調子で書くこの作者の持ち味が強く出ているので、そこが平気かどうかで評価が分かれます。
こんな人に
おすすめしたいのは。不条理な設定の推理小説を面白がれる人。
続編に『クララ殺し』『ドロシイ殺し』があります。
向かないかもしれない人
むごい場面を軽いノリで書く作風なので、そこに抵抗がある人には合いません。言葉遊びと屁理屈で進む会話を読むのが面倒に感じる人にも不向きです。
比べ読み
『深泥丘奇談』綾辻行人
現実が歪んでいく感覚は共通していますが、『深泥丘奇談』は自分の記憶のほうを疑わせる怪談の連作です。『アリス殺し』は不思議の国の屁理屈を逆手にとって真相に届く、本格ミステリの手順を持っています。推理で決着をつけたいなら小林作品、曖昧さそのものを楽しむなら綾辻作品を。
『予言の島』澤村伊智
ホラーと推理の境目に立つ点で並べやすい二冊です。『予言の島』は説明が付くのかどうかを最後まで宙づりにし、受け取り方が割れます。『アリス殺し』は二つの世界を行き来しながら推理を組む作り。怪談寄りの雰囲気を楽しむなら澤村作品、言葉遊びの論理を楽しむならこちらを。












