あらすじ
収録作の主人公は、小学生から社会人まで幅があります。どの話でも、相手を嫌いなわけではないのに素直になれない。そのねじれが、些細な出来事をきっかけにほどけていきます。
読みどころ
和解ではなく、ほんの少し見方が変わるところで終わるのがこの短編集の特徴です。一編が短く、読みやすい。
こんな人に
おすすめしたいのは。きょうだいや親との距離に覚えがある人。
同じ作者の『島はぼくらと』『傲慢と善良』も人の心理を扱っています。
向かないかもしれない人
どの短編も、はっきりした和解や大きな事件では終わりません。すっきりした結末や劇的な展開を期待する人には、物足りなく映ることがあります。
比べ読み
『星やどりの声』朝井リョウ
どちらも家族のあいだの言えなさが軸です。『家族シアター』は七つの短編で、一編ごとに組み合わせが変わり、和解の手前で終わる。『星やどりの声』は一つの家の五人兄妹を追い、終盤で全員の事情がつながる構成。細切れの時間ならこちら、まとまった時間が取れる日は星やどりの声を。
『また、同じ夢を見ていた』住野よる
短い話で見方が変わる感覚を味わうなら『家族シアター』、仕掛けが分かった瞬間に会話を読み直させる驚きなら『また、同じ夢を見ていた』。後者は小学生が語り手で、その語り口を小賢しいと感じるか否かで好みが分かれます。子どもの語りが平気かどうかで順番を決めてください。














