棚の前で/人生の部/季節のない街

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棚の前で

『季節のない街』新潮文庫の書影書影:版元ドットコム

季節のない街

  • 人生
  • 新潮文庫
  • 分量:ふつう

貧しい人たちが集まって暮らす街の、十五の断片。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
新潮社
判型
新潮文庫
刊行
2019年7月
ISBN
9784101134901

あらすじ

舞台は戦後の都会の片隅。話は一編ずつ独立していますが、同じ街の住人たちが互いに顔を出します。誰も状況から抜け出せませんが、話は暗く沈みません。

読みどころ

1962年の作品です。黒澤明の映画『どですかでん』の原作になりました。どん底の暮らしを、笑いを含めて書くことに徹しています。

こんな人に

おすすめしたいのは。市井の人を描いた短編集が好きな人。

同じ作者の『さぶ』『赤ひげ診療譚』も代表作です。

向かないかもしれない人

誰も状況から抜け出せない話が十五編続くので、困難を乗り越えて報われる筋が読みたい人には不満が残りそうだ。一編ずつ独立した断片で、一本の長い筋を追いたい人にも不向き。

比べ読み

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾

どちらも人の悩みや暮らしを複数の話で見せる構成。「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は終盤で相談者同士の線がつながる仕掛けがあり、読みやすさは星5と高い。「季節のない街」は十五の断片が同じ街でゆるく顔を合わせるだけで、どん底の暮らしを笑いを交えて書く。筋の気持ちよさなら「ナミヤ」、街の空気に浸るならこちら。

『あすなろ物語』井上靖

「あすなろ物語」は檜になれない木の名を借りた六章で、努力が届かない感覚を一人の歩みに沿って追う。「季節のない街」は大勢の住人がそれぞれ抜け出せない状況を抱える群像。一人の成長を読みたいなら「あすなろ」、多くの暮らしを短く覗きたいならこちらから。星の並びは同じなので気分で選んでいい。

stock

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