あらすじ
収録は六編。戦闘機のパイロット、輸送機の乗員、地上勤務の隊員など、それぞれ職種が違います。『空の中』『海の底』の登場人物が顔を出す話もあります。
読みどころ
職業ごとに、恋の困りごとの形が変わるという書き分けが面白いところです。自衛隊の描写は取材に基づいています。
こんな人に
おすすめしたいのは。職業ものと恋愛の両方を楽しみたい人。
同じ系統の短編集に『ラブコメ今昔』があります。
向かないかもしれない人
六編はどれも自衛隊員の恋愛が軸です。制服や組織の話に関心が持てない人や、甘さを抑えた恋愛小説を好む人には向かないかもしれません。
比べ読み
『ひらいて』綿矢りさ
どちらも短めの恋愛ものですが、向きは逆です。『クジラの彼』は職業ごとに変わる恋の困りごとを明るく書き分け、『ひらいて』は恋人のいる相手への執着を書ききるので、しばらく落ち着かない。軽く楽しみたい日はこちら、心をざわつかせたい日はひらいてを。
『ワーキング・ホリデー』坂木司
仕事と人の関係を組み合わせる点で近い二冊です。『ワーキング・ホリデー』は元ホストと小学生の息子の親子の話で、働く場面の積み重ねで関係を作る。こちらは自衛隊の職種ごとの恋愛を六編で書き分ける。恋の話が読みたいならクジラの彼、親子ものならワーキング・ホリデーから。












