あらすじ
収録は六編。勤務地の異動、連絡の取りにくさ、家族の理解。職業上の事情が、そのまま関係の難しさに直結します。取材に基づく描写が細かく、職場小説としても読めます。
読みどころ
軽い読み物でありながら、職業の実際を外さないのがこの作者の持ち味です。一編ずつ短く、気軽に読めます。
こんな人に
おすすめしたいのは。職場を舞台にした恋愛小説が好きな人。
同じ系統の短編集に『クジラの彼』があります。
向かないかもしれない人
自衛隊という舞台に興味が持てない人には、職業上の事情の細かさが遠く感じられるかもしれません。恋愛の甘さより大きな事件の展開を求める人にも不向きです。
比べ読み
『ワーキング・ホリデー』坂木司
仕事の事情が人間関係に直結する点は共通で、『ワーキング・ホリデー』は元ホストと息子の親子もの、こちらは自衛官の恋を六編に分けたもの。どちらも軽い読み口なので、恋の話に気分が向かない日は向こう、制服の内側の恋をつまみ読みしたい日はこちらが合います。
『ひらいて』綿矢りさ
同じく短めの恋愛ものでも温度がまるで違う。『ひらいて』は執着を書ききり、緊張が長く尾を引く。こちらは異動や連絡の取りにくさといった職業上の壁を扱いつつ、軽やかに進む。気持ちを揺さぶられたい夜は向こう、肩の力を抜いて読みたい夜はこちら。













