棚の前で/SFの部/火星年代記

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棚の前で

『火星年代記』ハヤカワ文庫SFの書影書影:版元ドットコム

火星年代記

  • SF
  • ハヤカワ文庫SF
  • 分量:ふつう

地球人が火星に移り住み、やがて去っていくまで。年代順に並んだ短編が、一つの歴史になる。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
早川書房
判型
ハヤカワ文庫SF
刊行
2010年7月
ISBN
9784150117641

あらすじ

一編ごとに主人公も雰囲気も変わります。叙情的な話、皮肉な話、ホラーに近い話。火星の描写は科学的な正確さより詩的な印象を優先していて、砂と運河の風景が繰り返し現れます。

読みどころ

1950年の作品です。開拓と入植の歴史を、火星に置き換えて書き直した構造で、アメリカという国の自画像としても読めます。

こんな人に

おすすめしたいのは。詩的な文章のSFを読みたい人。

同じ作者の『華氏451度』も文庫で読めます。

向かないかもしれない人

火星の描写は科学的な正確さより詩的な印象を優先しています。理屈の通った設定や技術の考証を楽しみたい人には、物足りないかもしれません。

比べ読み

『タイタンの妖女』カート・ヴォネガット

どちらも火星が舞台に入る古典SFです。『タイタンの妖女』は大富豪が宇宙を連れ回される一本の筋を、とぼけた皮肉で押し通す。こちらは年代順の短編が積み重なって一つの歴史になり、叙情も皮肉もホラーに近い話も混ざる。一編ずつ区切って読みたいなら火星年代記を先に。

『紙の動物園』ケン・リュウ

短編が並ぶ形と、星の並びが同じ二冊です。『紙の動物園』は母の折り紙の虎が動き出す表題作をはじめ、最後に話の形が変わって見える短編集。こちらは火星の開拓と入植の歴史を一続きに語る連作。家族の話に触れたいなら紙の動物園、大きな時間の流れなら火星年代記を。

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