あらすじ
調査は本格的です。仮説を立て、地図を作り、実験する。並行して、森の奥にある「海」と呼ばれる球体の謎が進行します。アオヤマ君のお姉さんへの気持ちは、最後まで子どもらしいまま扱われます。
読みどころ
日本SF大賞を受けた作品です。SFの骨格と、少年の成長を同じ一本の話に収めているのが強みで、この作者の中では文体の癖が薄く読みやすい一作。
こんな人に
おすすめしたいのは。不思議な現象を理屈で追う話が好きな人。
2018年にアニメ映画化されました。
向かないかもしれない人
海と呼ばれる球体など不思議な設定が話の中心にあるため、現実の出来事だけで組まれた話を好む人や、理屈っぽい子どもの語り口が苦手な人には合わない可能性がある。
比べ読み
『かがみの孤城 上』辻村深月
実用度以外の星はどちらも満点で並びますが、手ざわりは違います。ペンギン・ハイウェイは小学四年生が仮説と実験で不思議を追う理屈の話、かがみの孤城は学校に行けない中学生たちの息苦しさから始まる。明るい探究心に浸りたい日は前者、終盤で手がかりがつながる構成を味わいたいときは後者を。
『星の子』今村夏子
子どもの目で世界を見る点は共通。ただ『星の子』は、両親の信じる宗教を疑わない娘の一年を、読者だけが違和感に気づく形で追い、断罪も救済もないまま閉じます。こちらは謎を理屈で追いかける前向きな語りなので先に読み、考え込む時間がとれる日に星の子へ。












