あらすじ
三人は標的の身辺を調べ、静奈が近づき、兄たちが支えるという手口を使います。ところが静奈が本気になってしまい、計画が揺らぎ始める。事件当日の記憶にも食い違いが出てきて、兄妹の関係そのものが試される。
読みどころ
詐欺の場面は軽快で、読み進める速度が上がる。兄妹三人が背負ってきたものの重さが最後に一気に出てくる構成で、ミステリとしての仕掛けも用意されています。
こんな人に
おすすめしたいのは。長めの物語を一息に読みたい人。
2008年にテレビドラマ化されました。単行本は同年刊です。
向かないかもしれない人
両親を殺された過去から始まり、兄妹の背負ってきたものが終盤に押し寄せる。再読性の星は3つなので、何度も読み返して細部を味わう本を探している人には向かないかもしれない。
比べ読み
『方舟』夕木春央
どちらも終盤に大きな仕掛けが待つが、本作は兄妹の詐欺の場面が軽快で、事件の重さは後半にまとめて出る。『方舟』は地下施設で誰かを犠牲にする条件が最初から張りつめている。家族の話も味わいたいなら本作、緊張の強い密室劇なら方舟を。
『告白』湊かなえ
読みやすさと物語性はどちらも星5つ。『告白』はひとり語りの連なりで事実の意味が反転し、後味の悪さまで含めて読ませる。本作は詐欺の軽快さと兄妹の絆が軸になる。苦い読み心地を避けたい日は本作を先に、覚悟を決めて臨む時は告白へ。













