あらすじ
食堂は完全予約制で、客ごとに献立を変えます。作る場面の描写が詳しく、素材の扱いや下ごしらえが丁寧に書かれる。終盤では、母との関係に区切りをつける出来事が起きます。
読みどころ
言葉を失った人が、料理で意思を伝えるという設定が効いています。食べ物の描写が多いので、空腹時に読むのは向きません。
こんな人に
おすすめしたいのは。料理の場面が多い小説が好きな人。
映画版は2010年公開。鎌倉を舞台にした『ツバキ文具店』も同じ作者です。
向かないかもしれない人
食べ物の描写が多く、空腹時には向かないと紹介にもあるほどです。料理の工程に興味が持てない人には、丁寧な下ごしらえの描写が長く感じられそうです。
比べ読み
『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ
食卓が大事な場面になる点で並ぶ『そして、バトンは渡された』は、親が何度も変わる娘を中心に家族の形を問う。こちらは声を失った倫子が一日一組の客に料理で思いを伝える。誰かとの食事の温度を味わいたいなら向こう、作る手順と素材の扱いを追いたいならこちらを。
『ランチのアッコちゃん』柚木麻子
どちらも軽い分量で食べ物が鍵になるが、『ランチのアッコちゃん』は上司と昼食を交換する行動指定が痛快な職場もの。こちらは故郷の食堂で客ごとに献立を変える静かな話で、母との関係も扱われる。仕事に疲れた昼休みは向こう、腰を落ち着けた夜はこちら。












