あらすじ
併録は「マンハッタンの奇譚クラブ」。表題作では、家庭の事情を抱えた四人が、それぞれの理由で旅に出ます。道中の会話とけんかが物語の大半を占めます。
読みどころ
1986年に映画化され、題名のほうが有名になりました。原作は映画よりも、語り手の現在の孤独に重心がある作品です。
こんな人に
おすすめしたいのは。少年時代を描いた物語が好きな人。
対になる巻が『ゴールデンボーイ 恐怖の四季春夏編』です。
向かないかもしれない人
道中の会話とけんかが大半を占めるため、事件や恐怖の展開で引っ張る話を期待すると拍子抜けしそうです。映画版を先に知る人は、原作の重心の違いに戸惑うかもしれません。
比べ読み
『花まんま』朱川湊人
少年時代の回想として近いのが『花まんま』。昭和の大阪の下町に少し不思議が混じる短編集で、怖い話と泣ける話の境目にある。こちらは家庭の事情を抱えた四人の道中の会話とけんかが中心で、大人になった語り手の今の孤独が軸になる。不思議の味付けが欲しいなら向こう、等身大の旅を追うならこちら。
『夜市』恒川光太郎
題に恐怖の名を冠しつつ少年の旅を書くこの本と、ホラー大賞作でも異界の静けさと切なさが残る『夜市』。あちらは軽い分量で異界の市場に迷い込む話。こちらは線路を歩く十二歳の旅を、大人になった語り手が振り返る。異界に浸るなら向こう、少年時代を思い出したい時はこちらを。










