あらすじ
行き先ごとに仕事と住まいを探し、力は転校を繰り返します。漁港の町、温泉地、山間の集落。土地の人との関わりが一章ずつ描かれ、そのたびに二人の関係も変わっていきます。
読みどころ
逃避行を、不幸ではなく旅として書いたところがこの作品の特徴です。子どもの成長物語としても読めます。
こんな人に
おすすめしたいのは。旅をしながら進む物語が好きな人。
同じ作者の『家族シアター』も家族を扱っています。
向かないかもしれない人
事故をきっかけにした逃避行と、子どもの転校の繰り返しが話の前提です。謎解きや大きな仕掛けで引っ張る展開を期待する人には、穏やかに感じられるかもしれません。
比べ読み
『くちびるに歌を』中田永一
どちらも地方の土地が物語を動かします。『くちびるに歌を』は五島列島にある中学の合唱部という一か所に腰を据えた話、『青空と逃げる』は漁港の町や温泉地、山間の集落を移りながら母と息子の関係が変わる話です。一つの場所での共同作業を読むなら中田作品、旅の連続を読むなら辻村作品を。
『鹿男あをによし』万城目学
土地との関わりが軸になる点は同じですが、『鹿男あをによし』は奈良で鹿に話しかけられる教師の奇想と神話の使命、『青空と逃げる』は事故をきっかけに家を出た親子の現実的な逃避行です。笑いのある奇想を求める日は万城目作品、地に足のついた旅を求める日はこちらを。














