棚の前で/ホラーの部/忌館 ホラー作家の棲む家

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棚の前で

『忌館 ホラー作家の棲む家』講談社文庫の書影書影:版元ドットコム

忌館 ホラー作家の棲む家

  • ホラー
  • 講談社文庫
  • 分量:ふつう

作家が古い洋館に越してくる。そこで書き始めた小説と、現実の出来事が混ざり始める。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
講談社
判型
講談社文庫
刊行
2008年7月
ISBN
9784062761055

あらすじ

本文には、主人公が書いている小説がそのまま挿入されます。どちらが先に起きたことなのか、読者にも次第に分からなくなる。洋館の構造も、そこに残された古い資料の描写も細かい。

読みどころ

語り手を信じてよいのかどうかを疑いながら読む種類の作品です。仕掛けの性質上、あらすじの説明はここまでにします。のちの刀城言耶シリーズの原型が、ここにある。

こんな人に

おすすめしたいのは。入れ子構造の物語が好きな人。

同じ作者の『首無の如き祟るもの』は、民俗色の強い代表作です。

向かないかもしれない人

仕掛けの性質上、筋の紹介も控えめにするしかない本で、作中作と現実の区別が曖昧なまま進みます。話の順序がはっきりしていないと落ち着かない人には、入れ子の構造が負担になります。

比べ読み

『近畿地方のある場所について』背筋

どちらも「これは本当に起きたことか」と読者を揺さぶりますが、手段が違います。『近畿地方のある場所について』は集めた資料を並べて生々しさで迫る。『忌館』は主人公が書く小説が本文に挟まり、作中作と現実の前後が曖昧になる入れ子の作りです。考察派なら背筋、語りの罠を味わうなら三津田作品を。

『日時計』シャーリイ・ジャクスン

古い屋敷を舞台にしながら、怖さの源は正反対です。『日時計』に幽霊は出ず、終末を信じた人々の小競り合いが笑いと寒気を同時に生みます。『忌館』は洋館と古い資料を細かく書き込み、小説と現実が混ざっていく怪異の話。人間の滑稽さを読みたい日はジャクスン、語り手を疑う緊張が欲しい日はこちらです。

stock

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