あらすじ
前半は架の視点で捜索が進み、後半は真実の視点で過去が語られます。地方での親子関係、条件で相手を選ぶこと、自分の価値の見積もり方。どの場面でも、善良さと傲慢さが同じ人物の中に同居しています。
読みどころ
「自分は悪くない」と思っている人の加害を描いた作品です。恋愛小説として読み始めると、途中から自分の話として刺さってきます。
こんな人に
おすすめしたいのは。人の選び方や結婚について考えている人。
同じ作者の『かがみの孤城』とは作風が違いますが、人の心理を追う点は共通しています。
向かないかもしれない人
「自分は悪くない」と思う人の加害が主題で、相手の選び方や親子関係が容赦なく掘られる。恋愛の甘さだけを楽しみたい人や、相手探しの最中で痛みを避けたい人にはつらい。
比べ読み
『スモールワールズ』一穂ミチ
人の中に同居する善良さと傲慢さを長編で追う本作に対し、『スモールワールズ』は六つの家族の話を短編に分ける。星はどちらも高い並び。一つの関係を最後まで掘り下げたい時は本作、短い話ごとに違う手ざわりを試したい時はスモールワールズから。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は悩み相談の手紙を通じて相談者たちが一本の線で結ばれていく構成で、殺人事件は起きない。本作は婚約者の失踪を追ううちに自分の加害が見えてくる話。気持ちを軽くしたい日はナミヤ、自分を見つめ直す気力がある時は本作を。














