あらすじ
生まれ変わったS君は、自分は殺されたのだと訴え、ミチオに犯人を探してほしいと頼みます。ミチオは、三歳の妹ミカと一緒に、町の大人たちを疑いながら調べ始める。夏休みの町に、同じころ起きていた犬や猫の奇妙な死の噂が重なっていきます。
読みどころ
読み心地はかなり不穏で、好き嫌いがはっきり分かれる作品です。けれど最後まで読むと、それまでの違和感のすべてに意味があったことが分かる。明るい夏休みの話を期待して手に取ると裏切られるので、そのつもりでどうぞ。
こんな人に
おすすめしたいのは。後味の悪いミステリに、あえて挑みたい人。
暑い日に読むと、じっとりした読後感がさらに増します。結末は、まだ読んでいない人に話さないでください。
向かないかもしれない人
首を吊った同級生の姿から始まり、犬や猫の奇妙な死の噂も重なる。動物が傷つく話や後味の悪さが苦手な人、明るい夏休みの話を求める人には合わない。
比べ読み
『贖罪』湊かなえ
どちらも子どもが事件に巻き込まれ、救いの少ない読み心地。「贖罪」は同級生の殺害現場にいた四人の少女が、その後どう壊れていくかを追う。「向日葵の咲かない夏」は生まれ変わった同級生に頼まれた少年が、夏休みの町で犯人を探す不穏な話。現実の重さなら「贖罪」、不思議と違和感の混じる謎ならこちら。
『流星の絆』東野圭吾
「流星の絆」は両親を殺された三兄妹が大人になって犯人を探す話で、詐欺の場面が軽快、読みやすさも星5と高い。「向日葵の咲かない夏」は不穏さが全編を覆い、好き嫌いがはっきり分かれる。後味の重さを避けたい日は「流星の絆」を先に、じっとりした謎にあえて挑みたい日はこちら。













