あらすじ
章ごとに語り手が替わり、四人の現在が描かれます。教師になった者、結婚した者。どの人生にも、あの日の出来事が形を変えて残っている。最後に母親自身の章が置かれ、話の見え方が変わります。
読みどころ
加害者でも被害者でもない立場に置かれた人が、どう壊れていくかを書いた作品です。救いは多くありませんが、構成の切れ味は鋭く、最後まで一気に読ませます。
こんな人に
おすすめしたいのは。『告白』のような多視点の語りが好きな人。
テレビドラマ版は2012年放送。『告白』も同じ作者の代表作です。
向かないかもしれない人
救いは多くなく、同級生が殺された事件の影が四人の人生に残り続けます。明るい結末を求める人や、子どもが被害に遭う話がつらい人には勧めにくい内容です。
比べ読み
『向日葵の咲かない夏』道尾秀介
救いの少ない後味と、最後まで読んで初めて違和感の意味が分かる作りが共通しています。『向日葵の咲かない夏』は少年の目を通して不穏さが続く話、『贖罪』は章ごとに語り手が替わり四人の現在を追う構成です。一人の視点に深く入りたいなら道尾作品、複数の人生を並べて見たいなら湊作品を。
『十角館の殺人』綾辻行人
星の並びはほぼ同じですが、驚きの種類が違います。『十角館の殺人』は孤島と本土の二つの話が交互に進む館ものの謎解き、『贖罪』は事件の現場にいた少女たちが大人になってどう壊れたかを追う話です。仕掛けの鮮やかさを味わうなら綾辻作品、人の心の崩れ方に向き合うなら湊作品を先に。













