あらすじ
清瀬は走を、自分が住む古いアパート「竹青荘」に誘います。住人は、漫画オタク、司法試験に受かった秀才、ヘビースモーカー、留学生、双子。清瀬は彼ら全員に、箱根駅伝への出場を持ちかけます。当然、猛反発。それでも練習が始まり、記録会を経て、予選会へと進んでいきます。
読みどころ
本番の箱根駅伝の場面は、十人それぞれが一区間ずつを走り、その一人ひとりの心の中がタスキと一緒に受け渡されていく。走る理由が人によってまるで違うのがいい。厚い本ですが、後半は電車を乗り過ごすくらい夢中になります。
こんな人に
おすすめしたいのは。何かに向かって、仲間と一緒に走った記憶がある人。
2009年に映画化、2018年にアニメ化されました。お正月、箱根駅伝の前に読むのがいちばんです。
向かないかもしれない人
厚い本で、記録会や予選会を経て本番まで長く積み上げる作り。陸上や駅伝に興味が持てない人、短い話をさっと読みたい人には分量が負担になるかもしれない。
比べ読み
『かがみの孤城 上』辻村深月
どちらも厚めで星もほぼ満点、複数の人物の事情が終盤で一本につながる群像。『かがみの孤城』は学校に行けない中学生たちのファンタジーで、息苦しさから外へ出る過程を追う。『風が強く吹いている』は素人だらけの十人が箱根駅伝を目指すスポーツもの。走る高揚がほしいならこちら、静かな回復を見たいなら『かがみ』。
『チルドレン』伊坂幸太郎
『チルドレン』は家裁調査官の陣内を中心に、会話の切れ味で読ませる短い連作。『風が強く吹いている』は竹青荘の十人が練習を重ね、予選会から本番へ進む長い一本道。時間の少ない日に軽く読むなら『チルドレン』、腰を据えて仲間の話に浸れる週末ならこちらを。













