棚の前で/人生の部/まほろ駅前多田便利軒

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棚の前で

『まほろ駅前多田便利軒』文春文庫の書影書影:版元ドットコム

まほろ駅前多田便利軒

  • 人生
  • 文春文庫
  • 分量:ふつう

東京のはずれの町で便利屋を営む男のもとに、高校の同級生が転がり込んでくる。第135回直木賞受賞作。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
文藝春秋
判型
文春文庫
刊行
2009年1月
ISBN
9784167761011

あらすじ

依頼は、犬の預かり、塾の送り迎え、納屋の片づけ。どれも地味な仕事のはずが、行天が関わるとなぜか厄介ごとに発展していきます。まほろ市は、東京と神奈川の境目にある架空の町。地元のチンピラ、娼婦、小学生、老人たちが入れ替わり店を訪れ、そのたびに多田と行天の過去が顔をのぞかせます。

読みどころ

行天の予測できない言動に笑わされつつ、ふと見せる二人の脆さに不意を突かれる。男同士のバディものとしても、町の人情ものとしても読めます。一話ずつ区切りがよく、読みやすい。

こんな人に

おすすめしたいのは。ゆるい男ふたりの掛け合いが好きな人。

2011年に瑛太、松田龍平の共演で映画化されました。続編は『まほろ駅前番外地』『まほろ駅前狂騒曲』です。

向かないかもしれない人

チンピラや娼婦など町の裏側の人物も出入りし、行天の言動は予測がつきません。品のよい人情話を期待する人や、事件の筋で引っ張ってほしい人には、まとまりが緩く感じられそうです。

比べ読み

『ラブカは静かに弓を持つ』安壇美緒

星は同じでも、仕事の中身が違います。『ラブカは静かに弓を持つ』は著作権団体の職員が身分を隠して音楽教室に通う潜入の話で、後ろめたさが緊張を生みます。こちらは便利屋の地味な依頼が同級生のせいで厄介ごとに転がる、笑いの多い話。張りつめた空気を味わうなら安壇作品、ゆるい掛け合いを楽しむなら三浦作品を。

『阪急電車』有川浩

どちらも一つの町や路線に集まる人々を一話ずつ描きます。『阪急電車』は乗り合わせた乗客の小さな話が駅ごとにつながり、分量も軽め。こちらは東京と神奈川の境にある架空の町で、便利屋の二人の過去が依頼のたびに顔を出します。軽い群像を楽しむなら有川作品、男二人の関係の深まりを見たいならこちら。

stock

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