あらすじ
収録は十一編。現代を舞台にしたものもあれば、時代設定の曖昧なものもあります。どの話も結論を出さずに終わり、関係の名前は最後までつけられません。
読みどころ
「好き」という言葉が使えない関係ばかりを集めたのがこの本の狙いです。作者の他の長編とは違う、静かな筆致で書かれています。
こんな人に
おすすめしたいのは。恋愛短編集を探している人。
同じ作者の『舟を編む』『風が強く吹いている』は長編です。
向かないかもしれない人
どの話も結論を出さず、関係の名前がつかないまま終わる。はっきりした結末や両想いになる展開を楽しみたい人は、肩すかしを感じそうだ。
比べ読み
『ナラタージュ』島本理生
名前で呼べない関係を十一編の短い話に分けて並べる本作と、一つの恋の終わり方を長編でたどる『ナラタージュ』。どちらも甘さより静けさが勝つ。短い話で気持ちの揺れをつまみたい時は本作を先に、一人の恋に最後まで付き合う気力がある時はナラタージュへ。
『ヒトリコ』額賀澪
本作は人と人のあいだの名づけられない気持ちを、『ヒトリコ』は一人でいることを選んだ少女を、どちらも良し悪しを決めずに書く。星は同じ並び。誰かとの距離を考えたい夜は本作、ひとりの時間について考えたい時はヒトリコを選ぶとよい。













