あらすじ
智は人懐こく、近所の人と次々に親しくなります。買い物、食事、来客。加賀野の生活は否応なく変わっていく。父と息子の会話は淡々としていて、説明的な打ち明け話はほとんどありません。
読みどころ
失った時間を取り返すのではなく、今から始めるという書き方です。読後感が明るく、瀬尾作品の中でも読みやすい一冊。
こんな人に
おすすめしたいのは。親子の再会を描いた話が読みたい人。
同じ作者の『夜明けのすべて』も静かな再生の物語です。
向かないかもしれない人
父と息子の会話は淡々として、感情をぶつけ合う場面はほとんどない。親子の再会に劇的な和解や涙の打ち明け話を期待する人には、静かすぎるかもしれない。
比べ読み
『星やどりの声』朝井リョウ
家族の言えない事情を扱う点で近い。『星やどりの声』は五人の兄妹の秘密が終盤で一つにつながる構成、本作は父と息子の会話が淡々と続き、打ち明け話はほとんどない。仕掛けのある家族ものなら星やどり、静かなやりとりを味わう日は本作を。
『また、同じ夢を見ていた』住野よる
どちらも人との出会いで暮らしが変わっていく話。『また、同じ夢を見ていた』は小学生が三人の女性を訪ね、仕掛けが分かった時に会話の見え方が変わる。本作は人付き合いを避けてきた作家の家に息子が入り込む。子どもの語りが気になる人は本作を先に。














