棚の前で/青春の部/傑作はまだ

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棚の前で

『傑作はまだ』文春文庫の書影書影:版元ドットコム

傑作はまだ

  • 青春
  • 文春文庫
  • 分量:ふつう

二十五年間、人に会わずに暮らしてきた作家のもとに、会ったことのない息子が転がり込む。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
文藝春秋
判型
文春文庫
刊行
2022年5月
ISBN
9784167918712

あらすじ

智は人懐こく、近所の人と次々に親しくなります。買い物、食事、来客。加賀野の生活は否応なく変わっていく。父と息子の会話は淡々としていて、説明的な打ち明け話はほとんどありません。

読みどころ

失った時間を取り返すのではなく、今から始めるという書き方です。読後感が明るく、瀬尾作品の中でも読みやすい一冊。

こんな人に

おすすめしたいのは。親子の再会を描いた話が読みたい人。

同じ作者の『夜明けのすべて』も静かな再生の物語です。

向かないかもしれない人

父と息子の会話は淡々として、感情をぶつけ合う場面はほとんどない。親子の再会に劇的な和解や涙の打ち明け話を期待する人には、静かすぎるかもしれない。

比べ読み

『星やどりの声』朝井リョウ

家族の言えない事情を扱う点で近い。『星やどりの声』は五人の兄妹の秘密が終盤で一つにつながる構成、本作は父と息子の会話が淡々と続き、打ち明け話はほとんどない。仕掛けのある家族ものなら星やどり、静かなやりとりを味わう日は本作を。

『また、同じ夢を見ていた』住野よる

どちらも人との出会いで暮らしが変わっていく話。『また、同じ夢を見ていた』は小学生が三人の女性を訪ね、仕掛けが分かった時に会話の見え方が変わる。本作は人付き合いを避けてきた作家の家に息子が入り込む。子どもの語りが気になる人は本作を先に。

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