あらすじ
物語は四つの章に分かれ、佐和子の中学から高校までが描かれます。途中で大きな出来事が起き、家族と佐和子自身の立ち位置が変わる。恋人の大浦君との関係が、その変化を支えます。
もう少し詳しく(結末には触れません)
第1章「幸福な朝食」は、父の宣言の朝から始まります。佐和子は暮らしの先行きを心配しますが、直はあっさり受け入れてしまう。別居中の母とも行き来は続いていて、みんなで朝ごはんを食べる習慣だけは崩れません。続く「バイブル」「救世主」「プレゼントの効用」で、佐和子は高校へ進み、塾で知り合った大浦君との距離も縮まっていきます。2005年に第26回吉川英治文学新人賞を受け、2007年には北乃きいさんの主演で映画になりました。
主な登場人物
- 中原佐和子
- 語り手。中学生から高校生までの数年間が書かれる。冷静で、がんばり屋。
- 父・弘
- もとは学校の先生。朝の食卓で「父さんをやめる」と言い、仕事も辞めて勉強を始める。
- 母・由里子
- 家を出て一人で暮らし、和菓子屋で働いている。それでも料理を届けに家へ来る。
- 兄・直(直ちゃん)
- 勉強も運動もできた秀才なのに、大学へは進まず農業の道へ。
- 大浦勉学
- 佐和子と同じ塾に通う男の子。明るくて、考え方がまっすぐ。
- 小林ヨシコ
- 直の彼女。化粧が濃く、何ごとも大ざっぱ。
読みどころ
事情を全部説明しないまま、それでも一緒にいるという家族の形が描かれます。文章は軽く、悲しい場面でも重くなりすぎません。
こんな人に
おすすめしたいのは。家族小説を軽い筆致で読みたい人。
2007年に映画化。同じ作者の『そして、バトンは渡された』も家族の話です。














