あらすじ
収録は四編。占い師として何を言うべきかを毎回考える幸子の内心が、細かく描かれます。相談者の事情は深刻なものもあり、占いで解決するわけではありません。
読みどころ
他人の人生に軽々しく口を出せないという自覚が、この主人公にはあります。読み口は軽いのに、扱っていることは重い。
こんな人に
おすすめしたいのは。人の相談ごとを扱った話が好きな人。
同じ作者では『幸福な食卓』『夜明けのすべて』も文庫にあります。
向かないかもしれない人
占いで悩みが解決する話ではなく、相談者の事情には深刻なものも含まれます。占いの不思議な力で事態が好転する筋を期待すると、肩透かしに感じられそうです。
比べ読み
『何者』朝井リョウ
『何者』は就職活動中の大学生たちの表の励まし合いとSNSの本音を並べ、終盤に痛いところを突く作りです。相談者に軽々しく口を出せない占い師の内心を追うこちらは、軽い読み口のまま重い事情に触れていきます。刺激の強さを求めるなら『何者』、穏やかに人の悩みを眺めたい日は『強運の持ち主』を。
『島はぼくらと』辻村深月
『島はぼくらと』は瀬戸内の島で進路を決めなければならない高校生四人の話で、物語性はこちらを一つ上回る星5です。一人の占い師が相談のたびに何を言うべきか考える四編のこちらは、短く区切って読めます。若者の群像を追いたいなら島の話、大人の相談ごとに付き合いたいならこちらへ。














