棚の前で/ホラーの部/ししりばの家

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棚の前で

『ししりばの家』角川ホラー文庫の書影書影:版元ドットコム

ししりばの家

  • ホラー
  • 角川ホラー文庫
  • 分量:ふつう

久しぶりに訪ねた友人の家は、居心地がよすぎる。床にも空気にも、細かい砂の感触がある。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
KADOKAWA
判型
角川ホラー文庫
刊行
2020年1月
ISBN
9784041085431

あらすじ

砂という細部が繰り返し出てきます。畳の目にたまる砂、靴の中の砂、口の中のざらつき。読者は早い段階で違和感に気づきますが、家の中にいる人物はそれを当たり前として受け入れている。そのずれが緊張を作ります。

読みどころ

比嘉姉妹が出てくるシリーズの三作目です。逃げ出せばいいのに、逃げたくなくなるという形の恐怖で、閉じ込められる話が苦手な人ほど効きます。

こんな人に

おすすめしたいのは。家そのものが怖い話を読みたい人。

シリーズは『ぼぎわんが、来る』『ずうのめ人形』に続く三作目です。

向かないかもしれない人

閉じ込められる状況に弱い人ほど強く効く怖さなので、そこが弱点の人は覚悟が要る。シリーズ三作目のため、比嘉姉妹の経緯から追いたい人は前の二作が先。

比べ読み

『残穢』小野不由美

どちらも住まいが怖さの舞台。『残穢』は部屋の物音を発端に、土地の歴史を長い年月さかのぼって記録する型で、派手な怪物は出ない。『ししりばの家』は砂のざらつきが続く友人宅に入り込み、逃げたくなくなる恐怖で締めつける。調べる過程を追いたいなら『残穢』を、閉じ込められる緊張を味わう気分ならこちらを。

『近畿地方のある場所について』背筋

『近畿地方のある場所について』は雑誌記事やネットの書き込みを並べ、本当にあったかもと思わせる資料の生々しさで怖がらせる。『ししりばの家』は一軒の家の違和感を、人物の感覚に沿って積み上げる小説の形。再読性の星は『近畿地方』のほうが1つ多い。考察しながら読みたいなら『近畿地方』が先。

stock

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