あらすじ
章ごとに語り手が交代し、それぞれの夏休みが描かれます。学校でのいじめ、家庭の事情、書くことへの憧れ。終盤で、二人が知らなかった偶然のつながりが明かされます。
読みどころ
十代の残酷さと自意識を、一人称のまま書ききる作品です。偶然の重なり方が強引に見えるかどうかで評価は分かれます。
こんな人に
おすすめしたいのは。『告白』の読み口が合った人。
2016年に映画化されました。
向かないかもしれない人
「人が死ぬ瞬間を見てみたい」という動機から始まり、いじめも扱う。偶然の重なり方を強引と感じる人もいるので、筋の必然性を重んじる人には引っかかりが残りそうだ。
比べ読み
『ボトルネック』米澤穂信
十代の主人公の苦さを書く点で通じる二冊。『ボトルネック』は自分が生まれなかった世界に迷い込み、明るい姉との対比が核になる。少女は二人の女子高生が別々に過ごす夏を語り手の交代で追い、偶然のつながりが終盤に明かされます。自分の存在を問う痛みならボトルネック、十代の残酷さを見るなら本作。
『向日葵の咲かない夏』道尾秀介
『向日葵の咲かない夏』は少年の目で語られ、読み心地がかなり不穏で好き嫌いがはっきり分かれる。少女も十代の自意識が中心ですが、章ごとに語り手が替わる。語りの違和感を手がかりに読む話が好みなら向日葵、女子高生二人の視点を並べて読む形が好みなら本作が合う。













