棚の前で/ホラーの部/巷説百物語

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棚の前で

『巷説百物語』角川文庫の書影書影:版元ドットコム

巷説百物語

  • ホラー
  • 角川文庫
  • 分量:ふつう

解決できない恨みを、妖怪のしわざに仕立てて始末する。江戸を舞台にした仕掛けの連作。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
角川書店
判型
角川文庫
刊行
2003年6月
ISBN
9784043620029

あらすじ

各編の題は「小豆洗い」「柳女」など、実在する妖怪の名前から取られています。どのように仕掛けたのかは後から明かされ、手口の解説がそのまま読みどころになる。語り手は各編で替わる。

読みどころ

妖怪の伝承が、どのように人の都合から生まれるかを裏側から書いた作品です。百鬼夜行シリーズより短く、京極作品の入口として勧めやすい一冊になっています。

こんな人に

おすすめしたいのは。江戸の風俗や妖怪の話が好きな人。

続編に『続巷説百物語』などがあります。同じ作者の代表作は『姑獲鳥の夏』。

向かないかもしれない人

各編の手口は後から明かされる作りで、純粋に怖がりたい人には種明かしが興をそぐかもしれない。江戸の風俗や妖怪の伝承に関心が薄い人には、題材そのものが遠く感じられそうだ。

比べ読み

『雨月物語』上田秋成

江戸の怪異を扱う二冊ですが、立ち位置は逆。『雨月物語』は死者が戻り蛇が女に化ける怪異そのものを語る、1776年の古典です。巷説百物語は恨みを妖怪のしわざに仕立てる側から書き、手口の種明かしが読みどころ。怪異を怪異として味わうなら雨月、裏側の仕掛けを楽しむなら本作。

『草祭』恒川光太郎

『草祭』は美奥という町に迷い込む人を追う五つの連作で、怖さと懐かしさが同じ源から湧いてくる幻想譚。巷説百物語は語り手が各編で替わる江戸の仕掛けもので、人の都合が妖怪を生む過程を書きます。説明のない不思議に浸りたい夜は草祭、理屈で怪異をほどきたい夜は本作。

stock

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