あらすじ
収録は三編。ほかに、家に取り憑かれる話と、死者が関わる静かな話が入っています。どれも派手な仕掛けはなく、超常的な状況を淡々と受け入れる人物の姿が中心になります。
読みどころ
恐怖よりも喪失感が残る種類の作品です。同じ日を繰り返すという設定を、孤独の話として使っているところに独自性があります。三編とも短く、読み切りやすい分量。
こんな人に
おすすめしたいのは。しみじみとした幻想ホラーを探している人。
同じ作者の『夜市』『草祭』も短めの作品集です。
向かないかもしれない人
三編とも派手な仕掛けはなく、恐怖よりも喪失感が残ります。はっきり怖がりたい人や、繰り返しの謎が解き明かされる展開を期待する人には淡く感じられるかもしれません。
比べ読み
『ぼぎわんが、来る』澤村伊智
どちらもホラーの棚に並びますが、怖さの量が違います。『ぼぎわんが、来る』は家庭の身勝手さも描きつつ後半は派手な対決になる娯楽作。こちらは同じ日を何度も過ごす設定を孤独の話に用い、恐れより喪失の感覚が後に残る。怖がりたい夜はぼぎわん、しみじみしたい夜は秋の牢獄を。
『死者のための音楽』山白朝子
死者や異界が身近にある短編集という点で近い二冊。『死者のための音楽』は怖い話として読むと薄味でも、悲しい話としては深みのある作品。こちらも三編とも派手な仕掛けはなく、超常の状況を淡々と受け入れる人物が中心です。続けて読むなら、どちらが先でも違和感はありません。














