棚の前で/ホラーの部/雷の季節の終わりに

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棚の前で

『雷の季節の終わりに』角川ホラー文庫の書影書影:版元ドットコム

雷の季節の終わりに

  • ホラー
  • 角川ホラー文庫
  • 分量:ふつう

外の世界から隔てられた土地「穏」で育った少年が、掟を破って外へ出る。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
角川書店
判型
角川ホラー文庫
刊行
2009年8月
ISBN
9784043892020

あらすじ

作中の土地には独自の言葉と習慣があり、説明は最小限しか与えられません。読者は少年と同じ速度で、その世界の仕組みを飲み込んでいくことになります。後半では、穏の外の世界との関係が見えてきます。

読みどころ

日本の田舎の風景を、そのまま異世界として立ち上げるのがこの作者の持ち味です。ホラー文庫に入っていますが、読み心地は静かな幻想譚に近いところがあります。

こんな人に

おすすめしたいのは。不思議な土地を旅するような小説を読みたい人。

デビュー作は『夜市』。ほかに『草祭』『秋の牢獄』があります。

向かないかもしれない人

土地の言葉や習慣にほとんど説明が付かず、手探りで仕組みをつかみながら進む必要があります。設定を最初に整理してほしい人や、はっきり怖いホラーを求める人には静かすぎる本です。

比べ読み

『残月記』小田雅久仁

分類しにくい幻想作品どうしです。『残月記』は月をめぐる三つの話で、最後は月光で人を変える病が国中に広がり、文章の密度も高め。『雷の季節の終わりに』は隔てられた土地「穏」の掟と言葉を、説明を絞って少年の歩みに合わせて見せます。静かに入り込みたいなら恒川作品、濃い文章を浴びたいなら小田作品を。

『魔性の子』小野不由美

どちらもホラーの棚にありながら、別の世界とのつながりを抱えた作品です。『魔性の子』は転校生の周りで事故が続く学園ホラーで、単体で完結します。こちらは日本の田舎のような土地そのものが異界で、少年が掟を破って外へ出るところから話が動く。教室の怖さなら小野作品、旅のような幻想なら恒川作品を。

stock

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