棚の前で/人生の部/生きるぼくら

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棚の前で

『生きるぼくら』徳間文庫の書影書影:版元ドットコム

生きるぼくら

  • 人生
  • 徳間文庫
  • 分量:ふつう

四年間引きこもっていた青年が、蓼科の祖母を訪ねる。そこで米作りが始まる。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
徳間書店
判型
徳間文庫
刊行
2015年9月
ISBN
9784198940140

あらすじ

田植えから稲刈りまでの作業が具体的に書かれます。水の管理、天候、無農薬での苦労。並行して、祖母の介護と、家族の過去の問題が扱われます。

読みどころ

働くことと食べることを、回復の手順として書いている作品です。読み口はやさしく、重い題材でも読み進められます。

こんな人に

おすすめしたいのは。農業や田舎暮らしの描写が好きな人。

同じ作者の『キネマの神様』も再生を描いた長編です。

向かないかもしれない人

稲作の工程が細かく続くため、農作業の描写に関心がない人には、冗長に映る恐れがあります。引きこもりや介護の題材を今は避けたい人にも不向きです。

比べ読み

『長いお別れ』中島京子

祖母の介護を扱う点で『長いお別れ』と重なるが、あちらは父の認知症に向き合う家族の十年を年ごとに追い、失われていく過程を笑いも交えて書く。こちらは米作りの作業が回復の手順になる。介護そのものに向き合うなら向こう、土と食から立ち直る話ならこちらを先に。

『東京すみっこごはん』成田名璃子

食べることが人を支える話として並ぶ『東京すみっこごはん』は、路地の共同台所で他人同士が食卓を囲む都会の話。こちらは蓼科の田んぼで田植えから稲刈りまでを追う。都会の夜に軽く読むなら向こう、季節の作業を通して一人の再生を見届けるならこちらが合います。

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