棚の前で/人生の部/たゆたえども沈まず

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棚の前で

『たゆたえども沈まず』単行本の書影書影:版元ドットコム

たゆたえども沈まず

  • 人生
  • 単行本
  • 分量:ふつう

十九世紀のパリで、日本の画商がゴッホ兄弟と出会う。売れない画家と、売る側の物語。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
幻冬舎
判型
単行本
刊行
2017年10月
ISBN
9784344031944

あらすじ

当時のパリでは日本の美術が流行していました。林の商売の手腕、テオの苦悩、フィンセントの制作。史実に基づく人物と、作者が置いた人物が同じ画面で動きます。

読みどころ

絵を描く才能ではなく、それを世に出す仕事のほうを主役にした作品です。美術小説として、この作者の代表作の一つに数えられます。

こんな人に

おすすめしたいのは。ゴッホや印象派に関心がある人。

美術を扱った長編に『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』があります。

向かないかもしれない人

主役は絵を描く才能ではなく売る側の仕事で、史実と創作の人物が混ざる。ゴッホの伝記として事実だけを追いたい人や、美術への関心が薄い人には遠回りに感じられるかもしれない。

比べ読み

『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬

どちらもヨーロッパの歴史を舞台にした長編。『同志少女よ、敵を撃て』は独ソ戦で狙撃兵になった少女の話で、戦闘の緊迫感と戦争の非情さが押し寄せる。たゆたえども沈まずは十九世紀パリの美術の商売を軸に、史実の人物と作者の置いた人物が並んで動きます。張りつめた展開なら同志少女、芸術の周辺に浸るなら本作。

『ある男』平野啓一郎

『ある男』は、法要で遺影が弟ではないと言われる場面から始まり、それまでの人生を手放して生き直すことは可能かを問う現代の話。たゆたえども沈まずは、売れない画家を世に出す側の仕事を主役に据えた歴史ものです。謎の引きで読み進めたい日はある男、ゴッホや印象派の時代の空気に浸りたい日は本作が向く。

stock

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