あらすじ
訪ねるのは小学校、中学校、高校時代の友人たち。それぞれの家庭には事情があり、ナナは引き取られないまま旅が続きます。日本各地の風景と、サトルの半生が並行して描かれます。
読みどころ
猫が語り手であることが、最後の場面で最大限に効く作りです。泣かせにくる作品ではありますが、道具立ては丁寧に組まれています。
こんな人に
おすすめしたいのは。動物が出てくる話が好きな人。
2018年に映画化。同じ作者の『阪急電車』も一冊で読めます。
向かないかもしれない人
最後の場面に向けて感情を揺さぶる仕掛けが組まれている。動物の出てくる話で泣かされるのを避けたい人や、湿っぽい展開が苦手な人には、つらい読書になりそうだ。
比べ読み
『とんび』重松清
『旅猫リポート』は猫の目で一人の男の半生をたどり、『とんび』は不器用な父が息子を育てる昭和の瀬戸内を追う。星はどちらも同じ並び。動物の語りで軽く入りたい日は旅猫から、親子の長い年月を正面から受け止めたい日はとんびを選ぶとよい。
『虹の岬の喫茶店』森沢明夫
旅をしながら旧友の家を一軒ずつ訪ねる本作に対し、『虹の岬の喫茶店』は岬の店に客のほうがやってくる。動いていく話と、場所にとどまる話の違い。泣かせる場面に備えて読むなら本作を先に、派手な展開のない静かな時間がほしい夜は喫茶店のほうへ。














